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自分にとって大切な人がアルツハイマーになってしまったという話をきいて(自分の親ではないです)
自分でも本をいろいろ読んだりして調べてみた。

普段、思った名前がすぐに出てこないということってありませんか?
すっかりうっかり忘れることとか、
2階にあがったら、取りにきたものを忘れるとか
火にかけておいた鍋をうっかり忘れてて焦がしてしまうとか、
もう日常茶飯事じゃないですか?
もう普通のこと、じゃないですか。

でもそれはれっきとした脳の症状で、それの先に認知症やアルツハイマーがあるということだった。
そう思ったら、まったくもって他人事ではない。
わたしはもうかなり忘れまくっていて、もう思い出すのは無理!って思ってそのままにしてるのだけど
少し対策を考えたほうがいいと思った。。

さて、その大切な人に戻って。。
いろんなことをどんどん忘れていってしまって、高校時代の通学路はわかるけど、息子たちのことはわからないという状態だというので
多分わたしのこともわからないかな、って思ったけど
先に会いに行った妹が、「お姉ちゃんの写真をみて、これみこちゃんだ」って言ってたよ。っていうのを聞いて
会いにいってきました。

自分が覚えていることを次々と忘れていってしまってると感じるとき、どんな感情がわくのだろう?
わたしは「こわい」って気持ちになるのではないか?って思ってた。恐怖、どうなっちゃうの?みたいな。
だから、わたしですよ~!って、こんなこと覚えていますか?あんなこと覚えていますか?って押し付けるのって
暴力的なのでは?って思って、こわがらせたくないな、安全な距離や空間をつくって、ただ大好きだと伝えたかった。

でもね、会ってみてわかった。どうしてかというとその人は愛の中にいた。目をみればわかる。
いろんなことを忘れていたけど、パニックでもなく、恐怖を感じているわけでもなく、安心して、瞬間瞬間を感じていた。
話が面白いと思うと相変わらずの大きな声で大笑いして、
知らない覚えていない話も興味深そうに「そうなのね」と聞いていた。
わらったり、ふざけたり、おどけたりもしていたし、その時その時普通に話していた。心の垣根のない自然なオープンさで。
その在り方があまりに素敵だったからか、ごはんを食べにいったお店の店員さんも話しかけてきて、楽しそうに話しこんでいた。

あかちゃんとか、ワンコとかは、いやな目にあっても何年も覚えていて恨みつらみをいったり、掘り返してきて怒ったりはしない。
その場でうわ~んとかキャンと泣くだけだ。
そのあとはまた、にっこりと笑ってくれるんだ。

わたしはその人が苦しみの中にいないことに、ものすごく救われて、前から、ずっと前から、どんな状態であろうと、その人の温かさにずっと救われ癒されてきたことを思った。
バイバイするときに、ハグしよ~ってわざと明るくいってハグさせてもらった。
触りたかったのはわたしのほうだ。
なんだか涙がでちゃう、とその人は言って泣き笑いをした。
わたしが誰だかわからなくても、別になんの問題もない。
わたしが一生覚えているよ。わたしが全部覚えていてあげるから、安心して!と心の中で思った。

わたしも泣き笑いして。言葉がなくても、記憶がなくても、「感じる」ってことを味わって、その感じを共有して、それがとても楽しかったから
だから人生に感謝した。神様に感謝。
これからもできることやっていくよ。わたしだれよりも強いから安心して。



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